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滋賀県の名前が変わる? 世論調査で消えた「近江県」「琵琶湖県」

time 2015/07/27

滋賀県の名前が変わる? 世論調査で消えた「近江県」「琵琶湖県」

 滋賀県の県名変更の世論調査結果が、発表されました。
 県名を「変える必要はない」が82.8%と圧倒的多数を占めました。
 県名候補には「近江県」や「琵琶湖県」がありました。

 県名変更といえば、「うどん県」が有名です。
 香川県は2011年に県の知名度アップを目的に「うどん県に改名します」と
記者会見で発表する「うどん県CM」を作成。
 その後「うどん県」のブランド力が急上昇し、大成功を収めました。

 今年の1月にも鳥取県が「蟹取県」を名乗って話題になりました。
 但し、香川も鳥取も観光PRが目的で、本当に県名を変更する気はありません。

 しかし、滋賀は違いました。
 本気で県名変更を考えており、その議論を続けてきました。
 滋賀が県名変更を本気で考えたのはなぜでしょうか?
 そしてそれは実現可能なのでしょうか?

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滋賀県のイメージは良い?悪い?

 滋賀と聞いて一番に思い浮かべるのはなんでしょうか。
 まずは日本最大の湖である琵琶湖でしょう。
 初代ゆるキャラ王の「ひこにゃん」がいる彦根城も有名です。

 歴史好きには「近江」という呼び名が重なるのではないでしょうか。
 浅井長政と織田信長の同盟から裏切り、逆襲への流れはドラマがあります。
 秀吉が最初に築いた長浜城、明智光秀が築いた坂本城、信長の安土城。
 「近江を制する者は天下を制す」と言われ最重要エリアでした。

 しかし、最近のイメージは良いものではありません。
 数年前の大津いじめ事件で、滋賀のイメージは急降下しました。
 最近は廃墟モールで話題になったピエリ守山くらい。
 京都のベッドタウン、工場地帯、大学の移転先というイメージです。

 そもそも、滋賀県のイメージが湧かないという人もいるでしょう。
 日経リサーチ社の「その都道府県がどの辺りにあるか知っている」と回答した
人の割合で測る「認知度」調査では、岩手や栃木と並んで最下位でした。

 この問題を解決するのが「県名変更」だということです。

滋賀県は「近江県」?それとも「琵琶湖県」?

 県名変更の騒ぎの発端は県議からの提案でした。
 「近江の方が知名度がある。近江県と変えるのも一つの方法ではないか」

 香川や鳥取が観光PRのために特産品の名前を県名に入れたのに対して、
滋賀は旧国名が一番に挙がっています。
 本気で「県名変更」を考えていたということです。

 「近江」という地名は700年頃には定着していました。
 湖のことを「淡海」と呼び、畿内から近い琵琶湖を「近淡海」と呼び、
そこから「近江」へと発展したとする説が知られています。
 つまり「近江」とは琵琶湖のこと。「琵琶湖県」と同じ意味です。

 ちなみに「滋賀」の意味ははっきりとしません。
 明治の廃藩置県で役所があった滋賀郡大津から滋賀県になりました。
 「シガ」は古来より石の多い場所という意味で、後に漢字が当てられました。

 漢字を当てる時に「志賀」ではなくさんずいの付いた「滋賀」としたのは、
琵琶湖が近くにあったからかも知れません。
 この辺りは明確な史料は出てきていないので推測でしかないのです。

 滋賀県は「湖国」とも呼ばれ、まさに琵琶湖の国。
 「滋賀」よりも「近江」や「琵琶湖」の方が相応しいとも言えます。

幻と消えた県名変更、いずれまた蘇る?

 県名変更の手続きは、県名変更の法案を国会に出すところから始まります。
 国会で過半数の賛成を得た後に、県の住民投票で過半数の賛成が必要です。

 今回の世論調査で8割以上の県民が「変える必要はない」としており、
住民投票で過半数の賛成を得るのは絶望的です。
 実質的に、滋賀県の県名変更議論は終了でしょう。

 実は5年前にも県民にアンケートを取っています。
 その際にも72%が「現在の県名に愛着がある」と答えています。
 そして78%が「県名は今のままがよい」としています。
 すでに、決着は付いていたのです。

 しかし、5年の時を経て今回の調査が行われたのは根強い変更要望でした。
 古くは25年前に県議から「琵琶湖県にしてはどうか」と提案されています。
 そして6年前の「近江県と変えるのも一つの方法では」という提案。
 滋賀県では潜在的に県名変更の思いが強いのでしょう。

 反対理由も「かなりのコストがかかる」ことが重いです。
 看板や各資料の標記をすべて変更しなければなりません。
 もちろん、これは滋賀県だけの問題ではなく、近隣地域に及ぶことでしょう。

 コスト面の問題がなければ県名変更は望まれているのでしょうか。
 もしそうであれば、また県名議論は蘇るかも知れません。
 

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