ナレッジ ウォーカー 「時事散策」

ギリシャ・デフォルト問題 なぜ?いまさら聞けない3つの疑問

time 2015/06/30

ギリシャ・デフォルト問題 なぜ?いまさら聞けない3つの疑問

 前回は「すぐわかる酒席の話題にできる」を目標にギリシャ問題をまとめました。
 今回は「そもそもなんで?」という疑問を解いていきます。

 この問題は経済問題でありながら、EUという超国家共同体の問題であり、ユーロという統一通貨の問題でもあり、深く見出すととても複雑です。
 ここでは、酒を飲みながら談義できるレベルを目指しています。

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疑問1 なんでギリシャは粉飾決算をしたの?

 事の発端は2009年に発覚したギリシャの粉飾でした。
 しかし、なぜギリシャは粉飾をしたのでしょうか。
 これには有名なゴールドマン・サックスが関わっています。

 ユーロ導入の財政条件というのがあります。
  ・債務残高(GDP比) 60%以内
  ・財政赤字(GDP比)  3%以内
 両方を満たすか、可能であることを示すというのが条件です。

 ギリシャはどちらも満たせる状況ではありませんでした。
 そこで、ゴールドマン・サックスの力を借りて「不適切な取引」をしたのです。

 ギリシャは無事に2002年にユーロ導入を果たしました。
 しかし、この「不適切な取引」が粉飾に関係したと言われています。

疑問2 ギリシャはなぜ粉飾するほど財政赤字だったの?

ギリシャの内部事情

 ギリシャは「公務員天国」と揶揄されるくらい公務員が多いです。
 公務員は総人口の10%、労働人口の25%です。
 その上、公務員の給料は一般企業よりも高水準でした。
 年金支給時期も早くて高額です。

 誰もがうらやむ高福祉国家だったのです。
 それがために財政は常に圧迫されていました。
 その上、汚職や癒着が多く、脱税も多いのだそうです。

 ドイツなど支援している国は、自国より優雅な生活を送る人々をなぜ支援せねばならないのかと、批難しています。
 日本でもギリシャの自業自得という風潮の報道が多いです。

ギリシャの外的要因

 しかし、ギリシャにも言い分があります。
 そもそも統一通貨ユーロには経済小国が不利になる要素がありました。

 ユーロ導入国の経済大国はドイツやフランスです。
 経済大国だけでユーロを導入すると、ユーロは強いのでユーロ高になります。
 そこで、経済小国にもユーロを導入することでユーロ高を防ぐのです。
 これにより輸出国であるドイツなどは、輸出増で好景気となりました。

 ところが経済小国では逆のことが起こります。
 製造業の弱いギリシャでは輸出を増やせずに貿易赤字が増えていきます。
 通常なら金融政策で金利を操作しますがユーロはできません。
 ユーロの金融政策・為替操作は欧州中央銀行(ECB)が行うためです。

 見方を変えれば、ギリシャを踏み台にしてドイツは儲かったのです。
 そしてこの問題はユーロの構造的な問題でギリシャだけではありません。
 PIIGS(※)という経済が危機的状況にある5つの国を呼ぶ言葉もあります。

 ※Portugal、Ireland、Italy、Greece、Spain

疑問3 ギリシャ国民はなぜ反発しているの?

 ギリシャ国民の視点では、自分達は何も悪くないからです。
 外的要因で挙げたように、ドイツのせいで今の状況になったと考えています。
 それが支援するから緊縮しろ!というのは納得できないのです。

 力を合わせてこの国難を乗り越えよう!とはなりません。
 それにはギリシャの歴史が関係しています。

 ギリシャは古代の繁栄のイメージが強いですが、被支配の時代が長いです。
 紀元前にローマの支配下になってから1900年も支配されていました。
 二次大戦後も内戦や軍政があり愛国心は薄いと言われています。

 政府は民心を得るために高福祉を実施し、それが公務員天国につながります。
 その高福祉すら緊縮経済で取り上げられたら、後には不満だけが残ります。
 そして、支援しろ!緊縮はしない!悪いのはドイツだ!となるのです。

ギリシャ国民は自業自得か?犠牲者か?

 外的要因を考えると一概に「ギリシャが悪い」とはなりません。
 特に統一通貨ユーロの欠点は、最初から問題を指摘する学者もいました。
 実際にやってみて問題化したとなれば、ギリシャは犠牲者と言えます。

 しかし、ギリシャは民主主義国家ですし、民主主義発祥の地です。
 ユーロ導入も正規の手続きどころか、「不適切な取引」までして実現したのです。
 民主主義は主権在民で、民衆に権利があれば責任も負うものです。

 公務員天国にしても、選挙で公約に掲げたことを実現しています。
 その政党なり政治家を当選させたのは誰かという話です。

 しかし、日本で振り返っても同じように厳しいことが言えるでしょうか。
 目先の損得や雰囲気で投票する政治家を決めていないか。
 あるいは投票さえしていないのでは。
 ギリシャ問題から学ぶことは多いです。

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コメント

  • I never once said spanking is the answer to the problem, but sometimes a little spanking IS necessary. How the teacher went about it was totally out of line. Like I said, if the kid truly deserved to be taught a lesson that way, he should have been sent home for a good buwtpthop-ing from mama, who apparently isn't really involved in her son's education as it turns out. But no, I agree with you that spanking is not the answer, but there are times it is.

    by Sonny €2016年6月19日 18:36

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