ナレッジ ウォーカー 「時事散策」

地球史上6回目の大量絶滅すでに突入か?過去5回の大量絶滅ってなに?

time 2015/06/26

地球史上6回目の大量絶滅すでに突入か?過去5回の大量絶滅ってなに?

世界は地球史上6回目の大量絶滅を迎えつつあり人類も早期に死滅する可能性がある、という研究論文が発表されました。
米スタンフォード大、プリンストン大、カリフォルニア大の専門家らの研究です。

論文によると、「人類の活動が支配的になる以前の生物種の自然な消滅ペース」に比べると、現在は最大114倍の消滅ペースとなっています。
これは「控えめな算出法」に基づく予測で、人類も絶滅する種の一つとなる可能性があるとしています。

数々の生物を絶滅させてきた人類も、やがては自らが絶滅危惧種となる日がくるのでしょうか。
そんな悲観的な未来を想像するよりも、過去の大量絶滅とその原因を知っておきましょう。
「故きを温ねて、新しきを知れば、以って師と為るべし」です。

sponsored link

5回目の大量絶滅 白亜紀末の絶滅(約6600万年前)

前回の大量絶滅は6600万年前の白亜紀末の絶滅です。
恐竜やアンモナイトが絶滅し、哺乳類と鳥類の世に変わります。
「大量絶滅」と聞いて恐竜を想像するのは一般的ではないでしょうか。

白亜紀末の絶滅では、全生物種の75%が絶滅したと考えられています。
また個体の数では、99%以上が死滅したと考えられています。
99%以上が死滅する世界で生き残るのは奇跡ですね。

原因は巨大隕石の落下というのが定説です。
メキシコのユカタン半島に直径10kmから15kmの隕石が落下しました。
衝突地点には蒸気雲が発生し、300mの津波が起こり、森林は燃え上がり、衝突片は宇宙空間まで飛散します。

そして、大気中に巻き上げられた大量の煤や塵が「衝突の冬」という寒冷化を起こします。
また、蒸発した岩石が硫酸となって酸性雨として降り注ぎ、海水を酸性化させたことで海中生物の絶滅をも引き起こしました。

この大量絶滅をもって哺乳類、ひいては人類が地球の主役になるわけです。
巨大隕石が落ちなかったら、あるいは海に落ちていたら、今でも恐竜が地上の支配者として走り回っていたかも知れません。

4回目の大量絶滅 三畳紀末の絶滅(約2億160万年前)

白亜紀末の絶滅から遡ること1億3560万年前、三畳紀末の絶滅がありました。
アンモナイトの多くの種が絶滅し、陸上でも両生類から派生した爬虫類や単弓類(哺乳類の祖先)の大型種の多くが絶滅しました。
全生物種の76%が絶滅したと考えられていますので、白亜紀の絶滅と同程度です。

原因は火山活動によるものという説が有力です。
大陸移動説では、2億年前頃は現在の諸大陸がくっついてひとつの大陸でした。
この超大陸パンゲアが分裂をはじめたことによる火山活動の活発化が原因とする説です。

火山活動が活発化すると、火山灰による日射量減少による「火山の冬」、酸性雨による環境破壊、火山ガスによる温室効果、メタンガスによる温暖化などが想定されていますが、具体的なところは確認されていません。
「火山の冬」に温暖化、激しい寒暖差は変温動物には厳しい環境です。

この大量絶滅をもって、当時は小型だった恐竜が主役に躍り出ます。
また、哺乳類も生き残って種を繋げていきます。

3回目の大量絶滅 ペルム紀末の絶滅(2億5160万年前)

三畳紀末の絶滅からさらに5000万年前、史上最大の大量絶滅がありました。
全生物種の95%が絶滅したと考えられています。
ペルム期末の絶滅に比べれば、恐竜の絶滅(白亜紀末)は規模が小さいのです。

原因はさまざまな説がありますが、最終的な結論は得ていません。
諸説のひとつに、火山活動の活発化が挙げられています。
2億5000万年前は諸大陸が衝突して超大陸パンゲアが形成された時期です。
この頃に史上最大級の火山噴火がありシベリア・トラップを形成しました。
溶岩は700万平方kmを覆い、これはアメリカ全土に匹敵する広さです。

また海洋ではスーパーアノキシアという酸素欠乏状態が長く続きました。
この原因は不明ですが、海洋の大量絶滅の原因のひとつと考えられています。

この大量絶滅で両生類や単弓類の多くが絶滅し、爬虫類の時代に遷ります。
また3億年に渡って繁栄を見せた三葉虫は絶滅してしまいます。
大量絶滅では必ず世代交代が起こりますね。

2回目の大量絶滅 デボン紀後期の絶滅(約3億6000万年前)

ペルム期末の大量絶滅から1億年以上を遡ります。
全生物種の82%が絶滅したと考えられています。

この頃は「魚の時代」と呼ばれ、豊かな海に海洋生物が繁栄していました。
陸上は昆虫や一部の両生類が進出し始めていたが、主舞台は海でした。
つまり、デボン期後期の絶滅は海生生物において起こりました。

原因は諸説ありますが、環境変化ではないかと言われています。
大陸の衝突で山脈が形成され、河川が誕生し森林が広がりました。
その影響もあり、温暖化したり、寒冷化したり、海が干上がったり、海洋無酸素事変が起きたりと激しい環境変化があったことがわかっています。
また代表的な氷河期であるカルー氷期はこの頃に始まります。

この大量絶滅の後に両生類と昆虫による陸上生活への適応が進みます。
また氷河期は酸素濃度が高いので、生物も大型化していきます。

最初の大量絶滅 オルドビス紀末(4億4000万年前)

デボン期後期の大量絶滅からさらに8000万年前、史上2番目に大規模な大量絶滅がありました。
全生物種の85%が絶滅したと考えられています。

この頃は超大陸ゴンドワナが南極に掛けて存在していました。
陸上には植物も進出しておらず、すべての生命は海中にいました。

原因は諸説ありますが、寒冷化と後の急激な温暖化という説があります。
その原因はまた諸説あるのですが、大陸移動による氷床の形成と消滅という説が強いようですが、それ以外にも超新星爆発によるガンマ線バーストによってオゾン層が消滅したためというのもあります。

大量絶滅の原因をまとめると

5回目の大量絶滅 白亜紀末の絶滅
隕石の衝突による寒冷化

4回目の大量絶滅 三畳紀末の絶滅
超大陸の分裂による火山活動に因む寒冷化と温暖化

3回目の大量絶滅 ペルム紀末の絶滅
超大陸の形成による火山活動に因む寒冷化と温暖化

2回目の大量絶滅 デボン紀後期の絶滅
大陸の衝突による寒冷化と温暖化

最初の大量絶滅 オルドビス紀末
大陸移動による、寒冷化と温暖化

絶滅年表

大量絶滅の原因は大陸移動と気候変動 今回は?

大量絶滅の原因はほぼ確定しているのは白亜紀末の絶滅だけで、他の大量絶滅の原因は仮説のひとつに過ぎません。
それを踏まえて眺めても、大陸移動とそれによる気候変動が原因と考える学者が多いようです。

現在試行中の大陸の衝突は、インド亜大陸のアジアへの衝突です。
しかし、これが有力な原因と考えられる気候変動はありません。
大陸移動の次の一大イベントは2億年後と予想されています。

6回目の大量絶滅の原因は大陸移動ではなさそうです。

また、気候変動といえば温暖化が思い当たります。
ICPP(気候変動に関する政府間パネル)の報告書では2013年までの132年間で、世界平均気温は0.85℃上昇しました。
また、20世紀の100年間で海面は19cm上昇しています。

南極の氷床が溶解するほどの気候変動ではありません。
海面も過去5億年で比べても非常に低い状態です。
今より海面が低かったのはペルム期末の大量絶滅の時期だけです。

いずれも過去100年の気候変動が、これまでの大量絶滅の原因となった気候変動に類似しているとは言い難い状況です。
これは6回目の大量絶滅は気候変動によるものではないということでしょう。

目に見える範囲では、人類の乱獲や森林伐採などで絶滅した種がいます。
しかし、これまでに生物同士の争いによる大量絶滅はないのです。
地球規模の環境変化、または地球外からの脅威という規模の「原因」により大量絶滅は起こされてきたのです。
「身勝手な人類が大量絶滅を起こしている!」と言うのは短絡的すぎます。

この論文、データの意味するところは何なのでしょう。

sponsored link

down

コメントする






sponsored link

カテゴリー

アーカイブ